マツダのクロスオーバーSUVであるCX-9が、2015年に8年ぶりとなるフルモデルチェンジが発表され話題を集めました。
このマツダの新型CX-9には、2016年にマイナーチェンジした新型アクセラやアテンザにも搭載されていない最先端の機能が搭載されていることから、日本のユーザーからは、新型CX-9の日本発売についてどうなのか注目を集めていました。
そこで今回は、CX-9の関する動向等についてお伝えします。
新型CX-9の魅力とはいかに!?
まずは、こちらが、2015年にフルモデルチェンジが発表された新型CX-9の画像になります。
そのビッグなサイズで堂々としたスタイルに、日本では大型な車として認知されるCX-5でさえもかわいらしく思えてしまう程。
新型CX-9の開発主査である大塚正志氏のインタビューよると、
CX-9は全長が5000mmもあります。
そのため、CX-3のような抑揚やラインを使うと子供っぽくなってしまいます。
成熟したオーナー層に向けているので、相応しくないでしょう。
エクステリアデザインで特徴を持たせのは、大地に根を張ったようなフォルムです。メインマーケットとなるアメリカのSUVは、しっかりと地に足が着いたスタンスのデザインが好まれるのです。
【出典:CarWatchのインタビュー記事】
と語っており、新型CX-9のエクステリアデザインについて「大地に根を張ったようなフォルム」と表現されています。
そんな新型CX-9のボディカラーは以下の7色になります。
◯マシーングレーメタリック
◯スノーフレイクホワイトパールマイカ
◯ディープクリスタルブルーマイカ
◯チタニアムフラッシュマイカ
◯ソニックシルバーメタリック
◯ソウルレッドメタリック
◯ジェットブラックマイカ
そして、新型CX-9のスペックは以下の通りとなります。
全長 | 5,065mm |
---|---|
全幅 | 1,930mm |
全高 | 1,728mm |
ホイールベース | 2,870mm |
車両重量 | 1,960kg |
最高出力 | 250ps/5000rpm |
最大トルク | 42.8kgm/2000rpm |
トランスミッション | 6AT |
乗車人数 | 最大7人 |
搭載エンジン | 2.5L直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」 |
米国EPA基準燃費 | 9.5~11.9km/L |
参考としてCX-5のボディサイズが以下の通りです。
全長 | 4,540mm |
---|---|
全幅 | 1,840mm |
全高 | 1,728mm |
ホイールベース | 2,870mm |
車両重量 | 1,440-1,620kg |
これを見比べるといかに新型CX-9がズバ抜けて大きいのかが分かります。
日本メーカーで言えば、レクサスのレクサスLXやトヨタのランドクルーザー級の車と言えます。
新型CX-9の発売について
新型CX-9は、2016年から発売が開始されています。
新型CX-9の北米での価格
北米で発売されている新型CX-9の価格は、エントリモデルの「CX-9 SPORT AWD」が$ 34,520となっています。
1ドル101円で計算すると日本円で、約348万円になります。
ちなみに最上位モデルが$ 45,215(日本円で約456万)となっています。
新型CX-9のコンセプトデザインは越(KOERU)
この新型CX-9は、2015年11月17日~29日に開催されたロサンゼルスオートショー2015でワールドプレミアされ、マツダの新しい3列7人乗りSUVとして発表されました。
鼓動デザインの新シリーズであるコンセプトデザインである越(KOERU)を活かしたデザインであり、近年のマツダらしいデザインと言えます。
初代CX-9からのバトンタッチ
CX-9の歴史はそれ程長くなく、今回の新型CX-9は2代目に当たります。
その先代である初代CX-9は、2007年から発売されました。
<初代CX-9の画像>
かつて日本でも発売されていたCX-7の上位に値する大型SUVモデルであり、その大型サイズゆえ、日本では初代CX-9は発売されておらず、北米を中心に発売されていました。
初代CX-9のマイナーチェンジは2度行われた
そして初代CX-9のマイナーチェンジは、2007年の発売から、2016年に2代目新型CX-9にバトンタッチするまでの間に2009年3月20日と2012年9月18日の合計2回行われています。
その中でも2013年のマイナーチェンジは、デザインを含めて大幅な改良をするビッグマイナーチェンジとなっており、ここでマツダの鼓動デザインが初めてCX-9に採用されました。
<2013年のマイナーチェンジ後のCX-9の画像>
まさに、フルモデルチェンジと言っても過言ではない程の改良で、これは同年2013年に、ビッグマイナーチェンジでスピンドルグリルを採用して今風のデザインに生まれ変わったレクサスLSと同じくらいの変わりようでした。
CX-9は、元々MPVの後継車として登場
そもそも、このCX-9が登場するに至った理由は、ミニバンの人気が徐々に縮小していた北米市場にて、各メーカーが従来のミニバンに代わって3列シートSUVを投入する傾向にあり、マツダもその流れに乗ったというわけです。
そこで、アテンザやCX-7などで使用されているフォード・CD3プラットフォームの拡大させ、エンジンにはフォード・サイクロンエンジンのマツダ版となる3.5ℓのV型6気筒MZI(最大出力263馬力)を搭載するなどして、マツダのミニバンMPVの実質後継車として開発されたというわけです。
<マツダMPV>
MPVに関しては、CX-9が発売された後も継続して発売されていましたが、2代目となる今回のCX-9が発売される2016年をもって生産終了となっています。
つまり、2代目の新型CX-9こそがMPVの真の後継車と言えます。
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CX-9をベースとしたCX-8が日本発売へ
しかしながら、日本でミニバンの受け皿となる3列シートSUVに関しては、新型SUVのCX-8が発売することが決まりました。
このCX-8は、CX-9をベースとしたモデルとなります。
そんな中、なぜ今まで日本で販売されていなかったCX-9の新型の日本発売が期待されているのか。
その理由を見ていきましょう。
フルモデルチェンジされた新型CX-9が日本でも注目される訳
日本でマツダのSUVで最上位にあたるのがCX-5になりますが、そのCX-5よりもはるかにプレミアム感のある所には、レクサスや輸入車でなくても、これで十分と思えるほどの魅力があります。
エクステリアの貫禄はもちろん、内装に関してはCX-5をはるかに凌駕する美しいデザインになっています。
<新型CX-9のインテリア>
高級と感じ去られる部分はデザイン以外にも、例えばマツコネことマツダコネクトが8インチへと拡大されていたり、ヘッドアップディスプレイが他メーカーの高級車のようにフロントガラスに表示される形式になっているといったポイントがあります。
新型CX-9の「プレミアム」についてマツダ技報が徹底解説
そしてこの新型CX-9のプレミアムデザインに関しては、マツダ公式のマツダ技報に以下のように記載されています。
2. デザインコンセプト
2.1 おごそかで品格のあるプレミアム
プレミアムと一言でいっても,いろいろなプレミアムがある。マツダは新型CX-9をデザインするにあたり,「どんなプレミアム性をこのクルマに持たせるのか?」というプレミアムのあるべき姿の方向性から考えた。試行錯誤の末に至った結論は,“おごそかで品格のあるプレミアム”というコトバである。これは日本の企業としてマツダが,世界に発信するプレミアムとしてデザインの方向性を示す基軸となるコンセプトである(Fig. 1)。豪華なものを付け足すプレミアムではなく,職人が魂を込めて磨き込んでいくうちに光り輝くようなプレミアムを目指した。これ見よがしな豪華パーツで飾ったり,派手な造形でアピールするのではなく,開発者一人一人が職人となってしっかりと丹念なもの作りを行う。結果それが上質を知る人々に感動を与え,また虚飾を廃した本物のクルマとして受け入れられると考えた。
2.2 本物素材
今の世の中は,○○調や○○風といった,フェイクで溢れている。これは自動車のデザインの世界でも同じであり,開発や管理の容易なフェイク素材が主流になっている。このような○○調や○○風を排除することは,本物のマシンを目指す魂動デザインにおいて非常に重要である。ともすれば時代とともに規制は増えていき,正真正銘の本物が作り難くなっている中で,マツダはあえて本物のモノ造りを目指した。木目調パネルやアルミ風加飾を廃し,それぞれ本杢パネル,本アルミを用いた。本杢や本アルミの使えないグレードでも,フェイク素材を使わずに塗装だからこそできる仕上げを追求した。更には,本杢・本アルミを使うだけではなく素材の特性を活かす形状にもこだわった。
【出典:マツダ技報】
これはあくまで一部の内容なので、マツダ技報に載っているさらに詳しい内容を読みたい人は、是非、一度マツダ技報を読んでみてはいかがでしょうか?
日本で発売されているマツダの車にないもの
そして新型CX-9には、現在日本で発売されているマツダの他の車にはない機能があります。
それが、
・オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ
・MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)が全車速対応
・新開発2.5リッター直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を全車に採用
⇒過給ダウンサイジングが行われ、V型6気筒 3.7リッターを置き換えるエンジンとなった
といったものです。
これらは、いずれ日本でもCX-5やアテンザの次期モデル等には採用されると考えられますが、2016年のアクセラのビッグマイナーチェンジやアテンザの一部改良では実装されなかったので、ユーザーによっては相当魅力に思える機能です。
ちなみに「SKYACTIV-G 2.5T」のスペックは、
・排気量2488cc
・ボアxストローク89.0mm×100.0mm
・圧縮比10.5
・オクタン価87のガソリンで最高出力(ネット)169kW(227HP)/5000rpm
・オクタン価93のガソリンでは250HPを発生
・最大トルク(ネット)420Nm(310ft-lb)/2000rpm
と発表されています。
また、MRCCの全車速対応については、マツダ技報に、
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロールは、全車速追従機能付をマツダとして初めて採用し、豪州に導入する。
停止まで減速制御を行うことで,高速道路のみならず,市街地・渋滞シーンでの追従走行も可能にし,ドラ
イバーの疲労を軽減する。【マツダ技報より】
と書かれており、この機能が欲しいがゆえに購入を躊躇しているユーザーからすると、早く他の車にも展開してほしいと思う程、喉から手が出るほど便利な機能です。
【追記】
2017年2月に発売された新型CX-5では、
・オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ
・MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)が全車速対応
この2つが採用されることとなりました。
【追記2】
2018年にCX-5とCX-8にターボエンジンの「SKYACTIV-G 2.5T」が搭載。
実際の所、新型CX-9の日本発売は絶望的か
ボディサイズのあまりの大きさゆえ、初代CX-9が日本発売を見送ったように、新型CX-9についても日本発売はかなり厳しい状態です。
実際に、新型CX-9の開発主査の大塚正志氏がインタビューで、
──日本国内でも新型CX-9を欲しいという声が上がりそうです。
大塚氏:欲しいというユーザーがいらっしゃるかもしれませんが、国内の使用環境では実用的ではないはずです。なので導入は考えていません。【出典:CarWatchのインタビュー記事】
と回答している所から見ても、新型CX-9の日本発売はよほどのことがない限り、絶望的な状態と言えます。
また、以前、日本で右ハンドルの新型CX-9が走っている所が撮影されて、右ハンドルモデルがあるってことは日本で発売されるのかと話題になったことがあります。
しかしながら、これは、2017年7月にオーストラリア(豪州)で発売されたモデルのテスト走行だったと考えられます。
<参考 オーストラリア版新型CX-9のCM動画>
[youtube]
そもそも日本では3列シートSUVとしてCX-9の代替となるえるCX-8が発売されることから、CX-9の日本発売はかなり厳しいと言えます。
CX-4でさえも日本発売が危ぶまれている
北京モーターショー2016で ワールドプレミアされたマツダの新型クロスオーバーSUVのCX-4。
発表前は新しいCX-7かといった噂も出ていましたが、実際には、CX-4として発表され、中国で6月から販売されています。
日本でも2016年内にCX-4導入が予想されていましたが、日本でのマツダの販売低迷に伴ってCX-4の日本発売を見送ることになると現在見られています。
この点からも、新型CX-9の日本導入の可能性がかなり低い状態であるということが伺えます。
現実的に、まず日本では、マツダの新型SUVに関しては、2017年にフルモデルチェンジした新型CX-5に集中していくことになりそうです。
次期CX-5の売れ行き次第ではCX-9の日本発売の可能性が出てくるかもしれませんが、もしも、新型CX-9に関して日本発売の動きが合った場合は、またお伝えしますね!
マツダCX-9のライバルがスバルから発表
2017年4月に開催されたニューヨークオートショーにて、スバルから新型のフラグシップSUVとなる「アセント」が発表されました。
このアセントは、アウトバックを上回る大型SUVであり、CX-9のライバルとなる存在になります。
追加 CX-9の生産終了!CX-90が後継車種に
2024年モデルのマツダ CX-9に関する最新情報を以下に詳しく説明します。
マツダは2023年モデルを最後に、北米市場向けのCX-9の生産を終了。
事実上CX-9の後継モデルとして位置づけられるCX-90が発売されました。
新型CX-90は、3列シートを備えるクロスオーバーSUVであり、ボディサイズは全長5,100mm、全幅1,994mm、全高1,745mmで、マツダ史上最大のSUVとなっています。
CX-90のパワートレインには、新開発の3.3リッター直列6気筒ターボエンジン+マイルドハイブリッドシステムや、2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのPHEVモデルが用意されています
おまけ
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